一般財団法人定款案

【一般財団法人】

* 本定款案においては、法人法上の代表理事を「理事長」と称するものとする
(本定款案17条3項参照)

一般財団法人○○○○ 定款

第1章 総   則

(名称)

第1条

 当法人は,一般財団法人○○○○と称する。

・必要的記載事項(法153条1項2号)
・一般財団法人は、その名称中に「一般財団法人」という文字を用いなければならない(法5条)
・誤認させる名称等の使用禁止(法6条)

(事務所)

第2条

 当法人は,主たる事務所を静岡県浜松市に置く。

・必要的記載事項(法153条1項3号)
・定款に所在場所まで記載することもできる(民商第2351号第3部第1−1−(7))
・「従たる事務所の所在地」については必要的記載事項ではないが、定款に記載することもできる

第2章 目的及び事業

(目的)

第3条

 当法人は,○○○に関する事業を行ない,○○○に寄与することを目的とする。

(事業)

第4条

 当法人は,前条の目的を達成するため,次の事業を行なう。
(1)○○○○
(2)○○○○
(3)○○○○

・必要的記載事項(法153条1項1号)
・法人は、法令の規定に従い、定款に定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う(民法34条)ので、事業内容を具体的に記載する必要がある
・なお、一般社団法人の行う事業に制限はなく、公益的な事業、共益的な事業、収益事業など、強行法規・公序良俗に反しない適法な事業であれば、あらゆる事業を「目的」として掲げることができる(『一問一答公益法人関連三法』29頁)

第3章 資産及び会計

(基本財産)

第5条

 当法人の目的たる事業を行うために不可欠な別表の財産は,当法人の基本財産とする。

・任意的記載事項
・基本財産を定款で定めた場合、理事は、その維持及び目的にかなった使用や運営をしなければならない(法172条2項)
・基本財産の滅失による事業の成功の不能は解散事由(法202条1項3号)

(事業年度)  

第6条

 当法人の事業年度は,毎年4月1日から翌年3月31日までの年1期とする。

・必要的記載事項(法153条1項10号)
・事業年度は1年を超えることができない
事業年度の末日を変更する場合における変更後の最初の事業年度については、1年6ヶ月を超えることができない(規則64条,規則29条1項)

(事業報告及び決算)

第7条

 当法人の事業報告及び決算については,毎事業年度終了後,理事長が次の書面または電磁的記録を作成し,監事の監査を受け,理事会の承認を経て,定時評議員会に提出または提供し,第1号及び第2号についてはその内容を報告し,第3号乃至第5号については承認を受けなければならない。
(1)事業報告
(2)事業報告の附属明細書
(3)貸借対照表
(4)損益計算書
(5)貸借対照表及び損益計算書の附属明細書

・作成義務(法199条,法123条2項)
・監事の監査(法199条,法124条1項)
・理事会の承認(法199条,法124条3項)
・定時評議員会への提出・提供(法199条,法126条1項柱書)、承認事項(同2項)、報告事項(同3項)

 前項の書面または電磁的記録並びに監査報告を,主たる事務所に5年間備え置くものとする。

・計算書類等・監査報告の備置義務(法199条,法129条1項)
・計算書類及びその附属明細書は、通算10年間保存義務あり(法199条,法156条1項)

第4章 評 議 員

(評議員)

第8条

 当法人に,評議員3名以上○名以内を置く。

・評議員は3名以上でなければならない(法173条3項)
・評議員は、当該法人又は子法人理事、監事、使用人を兼任できない(同条2項)

(評議員の選任及び解任)

第9条



















8   





評議員の選任及び解任は,評議員選定委員会において行なう。
評議員選定委員会は,評議員1名,監事1名,事務局員1名,次項の定めに基づいて選任された外部委員2名の5名で構成する。
評議員選定委員会の外部委員は,次のいずれにも該当しない者を理事会において選任する。
(1)当法人又は関連団体の業務を執行する者又は使用人
(2)過去に前号に規定する者となったことがあるもの
(3)第1号又は第2号に該当する者の配偶者,3親等内の親族,使用人(過去に使用人となった者も含む)
評議員選定委員会に提出する評議員候補者は,理事会又は評議員会がそれぞれ推薦することができる。評議員選定委員会の運営についての細則は,理事会において定める。
評議員選定委員会に評議員候補者を推薦する場合には,次の事項のほか,当該候補者を評議員として適任と判断した理由を委員に説明しなければならない。
(1)当該候補者の経歴
(2)当該候補者を候補者とした理由
(3)当該候補者と当法人及び役員等との関係
(4)当該候補者の兼職状況
評議員選定委員会の決議は,委員の過半数が出席し,その過半数をもって行なう。 
ただし,外部委員の1名以上が出席し,かつ,外部委員の1名以上が賛成することを要する。
評議員選定委員は,前条で定める評議員の定数を欠くこととなるときに備えて,補欠の評議員を選任することができる。
前項の場合には,評議員選定委員会は,次の事項も併せて決定しなければならない。
(1)当該候補者が補欠の評議員である旨
(2)当該候補者を1人又は2人以上の特定の評議員の補欠の評議員として選任するときは,その旨及び当該特定の評議員の氏名
(3)同一の評議員につき2人以上の補欠の評議員を選任するときは,当該補欠の評議員相互間の優先順位
第7項の補欠の評議員選任にかかる決議は,当該決議後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時まで,その効力を有する。

・必要的記載事項(法153条1項8号)
・評議員は定款に定めた方法により選任及び解任される(法153条1項8号)ので、定款上に具体的な方法を明記する必要がある。なお、登記申請に際しては、定款の添付を要する(登記情報565号38頁)
〔例〕 ・評議員会の決議による方法
・評議員選任及び解任のための任意の機関(例:評議員選定委員会等)を設置する方法
・外部の特定の者に選任及び解任を委ねる方法。
・理事又は理事会が評議員を選任し、又は解任する旨の定款の定めは効力を有しない(法153条3項1号)

(任期)

第10条

 評議員の任期は,選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議委員会の終結の時までとする。
任期の満了前に退任した評議員の補欠として選任された評議員の任期は,退任した評議員の任期の満了する時までとする。

・定款によって選任後6年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時まで伸長することもできる(法174条1項,注・短縮不可)
・補欠として選任された評議員の任期につき、任期調整規定を定款で定めることも可(同2項)
・評議員に欠員が生じた場合の措置(法175条)

(評議員に対する報酬等)

第11条

  

 評議員に対して,各年度の総額が○円を超えない範囲で,評議員会において別に定める報酬等の基準に従って算定した額を報酬として支給する。

 ・必要的記載事項(法196条),無報酬の場合はその旨を明記する

第5章 評 議 員 会

(構成)
第12条

 評議員会は,すべての評議員をもって構成する。

 ・評議員会は、すべての評議員で組織する(法178条1項)
・評議員会は、必要的機関(法170条)

 (権限)

第13条

 評議員会は,次の事項について決議する。
(1)理事及び監事(並びに会計監査人)の選任及び解任
(2)理事及び監事の報酬等の額
(3)評議員に対する報酬等の支給の基準
(4)貸借対照表及び損益計算書(正味財産増減計算書)並びにこれらの附属明細書の承認
(5)定款の変更
(6)残余財産の処分
(7)基本財産の処分又は除外の承認
(8)その他評議員会で決議するものとして法令又はこの定款で定められた事項

・評議員会は、法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り決議することができるため(法178条2項)、法律に規定する以外の事項を評議員会の決議事項とするには、その旨を明確に定款で定めておく必要がある
・評議員会の決議を必要とする事項について、評議員会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは効力を有しない(法178条3項),評議員会以外の機関がその決定をくつがえすこととなるような定款の定めを設けることもできない。

(招集)

第14条





 当法人の定時評議員会は,毎事業年度終了後2ヶ月以内に招集し,臨時社員総会は,必要がある場合に招集する。
評議員会は,法令に別段の定めがある場合を除き,理事会の決議に基づき,理事長が招集する。
評議員は,理事長に対し,評議員会の目的である事項及び招集の理由を示して,
評議員会の招集を請求することができる。
評議員会を招集するには,会日より1週間前までに,各評議員に対して招集通知を発するものとする。ただし,評議員全員の同意があるときはこの限りではない。

・招集(法179条1項、2項,法180条)
・招集通知は、総会の日の1週間前までに発送,定款の定めによる短縮不可(法182条1項)
・書面または所定の電磁的方法による通知を要す(法182条1項)
・評議員全員の同意がある場合、招集手続の省略が可能(法183条)
・定時総会の開催時期と申告書の提出時期(法人税法74条,各事業年度終了の日の翌日から2月以内)

(決議)

第15条

2   

 評議員会の決議は,決議について特別の利害関係を有する評議員を除く評議員の過半数が出席し,その過半数をもって行なう。
前項の規定にかかわらず,次の決議は,決議について特別の利害関係を有する評議員を除く評議員の3分の2以上に当る多数をもって行なう。
(1)監事の解任
(2)役員等の責任の一部免除
(3)定款の変更
(4)基本財産の処分又は除外の承認
(5)事業の全部の譲渡
(6)解散及び清算結了までの継続
(7)合併
(8)その他法令で定められた事項 

・評議員会の決議事項(法189条)
・普通決議につき、定足数、決議要件のいずれも定款で要件を加重することができる(同1項)
・特別決議につき、定款で評議員の3分の2を上回る割合(加重のみ可)を定めることもできる(同2項)
・本定款案の「(4)基本財産の処分又は除外の承認」は、法律上は、特別決議を要求されていないが、一般財団法人の根幹に関わる事項であるため、本定款案では特別決議を要するものとした。基本財産につき、法172条2項
・特別利害関係を有する評議員は、議決に加わることができない(法189条3項)
・評議員会については、代理人による議決権の行使は認められない(『一問一答公益法人関連三法』130頁,注・一般社団法人につき法50条)
・評議員の議決権は1人1個であり、社員の議決権のように定款で別段の定めを設けることは認められない(『一問一答公益法人関連三法』130頁,条文上も、「議決権」という文言はない)

(議事録)

第16条


評議員会の議事については,法令の定めるところにより,議事録を作成し,出席した評議員及び理事は前項の議事録に署名若しくは記名押印又は電子署名をし,10年間主たる事務所に備え置く。

・議事録の作成(法193条)
・記載事項(規則60条)
・会社法の株主総会議事録同様、法律上は、署名義務に関する規定なし,本定款案では、議長及び出席評議員を署名義務者として定める

第6章 役   員

(役員の設置 )

第17条

 当法人に,次の役員を置く。
(1)理事 3名以上〇名以下
(2)監事 ○名

・一般財団法人の理事は3名以上(法170条、法177条,法65条3項)
・一般財団法人においては、監事設置義務あり(法170条)。このため、一般社団法人と異なり、「監事設置一般財団法人」という概念はなく、登記事項でもない


 理事のうち1名を理事長,○名を常務理事とする。
前項の理事長をもって一般社団法人及び一般財団法人に関する法律上の代表理事とし,常務理事をもって同法の業務執行理事とする。

・法人法の名称とは異なる通称名や略称を定款に使用する場合には、「法律上の名称」と定款で使用する名称(理事長、副理事長、専務理事、常務理事 等)がどのような関係にあるかを、定款上、明確にする必要がある(平成20年10月10日付け内閣府公益認定等委員会「移行認定又は移行認可の申請に当たって定款の変更の案を作成するに際し特に留意すべき事項について」U2)
・業務執行理事・・・代表理事以外の理事であって、理事会の決議によって理事会設置一般社団法人の業務を執行する理事として選定されたもの(法197条,法91条1項2号)

(役員の選任)

第18条

 理事及び監事は,評議員会の決議によって選任する。

・役員の選任(法177条,法63条1項)
・法人法では、理事及び監事を総称して「役員」(同条1項)

 理事長及び常務理事は,理事会の決議によって理事の中から選定する。

・代表理事等の選定(法197条,法90条3項)
・定款で定めることにより(本定款案13条参照)、代表理事を評議員会で選定することも可能(登記情報565号36頁)。この場合、評議員会議事録の署名義務者の規定(本定款案16条参照)にかかわらず、商業登記規則61条4項1号により、議長及び出席理事全員の印鑑証明書の提供を要する(同37頁)

(理事の職務及び権限)

第19条

 理事は,理事会を構成し,法令及びこの定款で定めるところにより,職務を執行する。
理事長は,法令及びこの定款で定めるところにより,当法人を代表し,常務理事は理事会において別に定めるところにより,当法人の業務を分担執行する。

・理事会はすべての理事で組織する(法197条,法90条1項)
・理事会設置一般財団法人の理事の権限(法197条,法91条1項)

(監事の職務及び権限)

第20条

  2

 監事は,理事の職務の執行を監査し,法令で定めるところにより,監査報告を作成する。
監事は,いつでも,理事及び使用人に対して事業の報告を求め,当法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。

・監事の権限(法197条,法99条1項、2項)
・子法人が存在する場合(法99条3項、4項)
・法令で定める監事の職務
  理事会への報告義務(法197条,法100条)
  理事会への出席義務等(法197条,法101条)
  評議員会への報告義務(法197条,法102条)
  理事の行為の差止め(法197条,法103条)
・監査報告の作成(規則62条,規則16条)

(役員の任期)

第21条

 理事の任期は,選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする。

・定款の定めにより任期の短縮が可能(法177条,法66条)。評議員会の決議により短縮することは出来ない(注・一般社団法人の場合は社員総会決議による変更もできる(法66条))

 監事の任期は,選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする。

・定款の定めにより「選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会終結の時」を限度として任期の短縮が可能(法177条,法67条1項)

 補欠として選任された理事又は監事の任期は,前任者の任期の満了する時までとする。

・理事につき(法177条,法66条)
・監事につき(法177条,法67条2項)
・権利義務に関する規定(法177条,法75条1項,79条)
・評議員会で役員選任決議をする際には、下記のとおり「補欠役員」の選任決議を併せて行うことができる(法177条,法63条2項、規則61条,規則12条)
補欠役員選任決議において決議すべき事項(規則61条,規則12条2項)
ア・当該候補者につき
@ 補欠の役員である旨
A 補欠の外部理事(法113条1項2号ロ)又は外部監事(法115条1項)として選任する場合には、その旨
B 特定の役員の補欠の役員として選任するときは、その旨及び当該特定の役員の氏名
イ・同一の役員について、複数の補欠の役員を選任した場合には、当該補欠の役員同士の相互間の優先順位
ウ・補欠の役員について、就任前に選任の取消しを行う場合があるときは、その旨及び取消しのための手続。
・補欠役員選任決議が効力を有するのは、原則として当該決議後最初に開催する定時評議員会の開始の時まで。ただし、定款で別段の定めが可能。さらに、評議員会の決議によって期間を短縮することができる(規則61条,規則12条3項)

 増員により選任された理事及び監事の任期については,他の理事及び監事の任期の満了する時までとする。ただし,増員により選任された監事の任期については,他の監事の残任期間が2年に足らないときは,第2項によるものとする。

(役員の解任)

第22条

 理事又は監事が,次のいずれかに該当するときは,評議員会の決議によって解任することができる。
(1)職務上の義務に違反し,又は職務を怠ったとき
(2)心身の故障のため,職務の執行に支障があり,又はこれに堪えないとき

・解任決議(法176条1項)
・一般社団法人の役員を解任する場合には、解任理由不要(法70条参照)
・理事解任は、普通決議(法189条1項)
・監事解任は、特別決議(法189条2項1号),【注】本定款案15条

(報酬等)

第23条

【A案】 理事に対する報酬等は,評議員会において定める総額の範囲内で支給することができる。理事が複数ある場合の各理事の報酬等の額は,評議員会の定める総額の範囲内において各理事の協議により決定する。

・無報酬では経済的余裕がある者しか参加できず、あるいは業務に専念してもらえなくなることから、職務執行の対価として、その責任に見合った報酬を支払うべきとする考え方による

第23条

【B案】 理事は,無報酬とする。ただし,常勤の理事に対しては,評議員会において定める総額の範囲内で支給することができる。理事が複数ある場合の各理事の報酬等の額は,評議員会の定める総額の範囲内において各理事の協議により決定する。

・非営利であり、かつ、小規模な一般財団法人を想定した場合、原則無報酬の定めであってもいいのではないか(私見)
・公益法人の場合、非営利・公益法人である以上、自主的に無償で社会貢献するものであり、原則的には無報酬であるとする考え方が強い
・理事の報酬等は、定款又は評議員会の決議によって定める(法197条,法89条)。もっとも、定款又は評議員会の決議においては、報酬等の総額を定めることで足り、理事が複数ある場合の各理事の報酬額は、その総額の範囲内において理事の協議で定めることができる(『一問一答公益法人関連人三法』68頁)

 監事に対する報酬等は,評議員会において定める総額の範囲内で,支給することができる。

・監事の報酬(法197条,法105条)

第7章 理 事 会

(構成)

第24条

  

 理事会はすべての理事をもって組織する。

・一般財団法人においては、理事会設置義務あり(法170条)。このため、一般社団法人と異なり、「理事会設置一般財団法人」という概念はなく、登記事項でもない
・理事会はすべての理事で組織する(法197条,法90条1項)

(権限)

第25条

 理事会は,次の職務を行う。
(1)当法人の業務執行の決定
(2)理事の職務の執行の監督
(3)理事長及び常務理事の選定及び解職
理事長及び常務理事は,毎年6月及び3月に開催される理事会において,自己の職務の執行の状況を報告しなければならない。

・理事会の職務(法197条,法90条2項)
・一定の重要な事項については、理事に委任することができない(法197条,法90条4項)
・代表理事及び業務執行理事の理事会に対する業務執行状況の報告は、原則として、少なくとも3か月に1回行われることを要するが(法197条,法91条2項本文)、定款で毎事業年度に4か月を超える間隔で2回以上報告をすれば足りる旨を定めることも可能(同項但書)

(招集)

第26条



理事会は,理事長が招集する。
理事長が欠けたとき又は理事長に事故があるときは,各理事が理事会を招集する。
理事会の招集通知は,会日の1週間前までに各理事及び各監事に対して発する。ただし,緊急の必要があるときは,この期間を短縮することができる。
理事及び監事の全員の同意があるときは,招集の手続を経ないで理事会を開催することができる

・定款又は理事会で招集権者を定めない場合は、各理事が招集する。(法197条,法93条1項)
・理事長が欠けた場合の招集権者に関する定め
〔記載例〕
・他の理事があらかじめ定めた順序により、これに代わって招集する
・副理事長が招集する
・招集権者を定めた場合、他の理事は招集権者に理事会の招集を請求できる(法197条,法93条3項)
・招集通知は、理事会の日の1週間前までに発送,定款の定めにより短縮可能(法197条,法94条)
・理事及び監事全員の同意がある場合、招集手続の省略が可能(法197条,法94条2項)

(決議)

第27条

理事会の決議は,決議について特別の利害関係を有する理事を除く理事の過半数が出席し,その過半数をもって行う。

・定足数及び決議要件ともに過半数を上回る割合に、定款で加重することができる(法197条,法95条1項)
・特別利害関係を有する理事は、議決に加わることができない(法197条,法95条2項)

前項の規定にかかわらず,一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第197条において準用する同法第96条の要件を満たしたときは,理事会の決議があったものとみなす。

・みなし決議の規定は、相対的記載事項(法197条,法96条)
・理事会決議の省略の要件(法197条,法96条)
ア・理事が、理事会の決議の目的である事項について提案すること
イ・当該提案につき理事の全員(当該事項につき、議決に加わることができるものに限る)が、書面又は電磁的記録により同意の意思表示をすること
ウ・監事が当該提案について異議を述べないこと

(議事録)

第28条

理事会の議事については,法令で定めるところにより議事録を作成し,出席した理事長及び監事がこれに署名若しくは記名押印又は電子署名をし,10年間主たる事務所に備え置く。

・議事録の作成(法197条,法97条)
・理事の署名義務者は、出席した理事全員及び監事が原則であるが(法197条,法95条3項)、定款の定めにより、当該理事会に出席した代表理事とすることができる(同項括弧書)
・定款で署名義務者を「出席した代表理事」と定めた場合で、代表理事が理事会議事録に届出印を押印した場合には、登記申請に際し、定款の添付は不要(登記情報565号37頁)
・監事については、定款の定めによる修正は不可
・記載事項(規則62条,規則15条)

第8章 定款の変更及び解散


(定款の変更)

第29条

 この定款は,評議員の決議によって変更することができる。

 ・特別決議を要す(法200条,法189条2項),【注】本定款案15条

 前項の規定は,この定款の第3条,第4条及び第9条の各規定についても適用する。

・定款の必要的記載事項の内、「目的」と「評議員の選任及び解任の方法」のふたつについては、設立者が、原始定款で、評議員会の決議により変更できる旨を定めた場合でない限り、変更することはできない(法200条1項、2項)
・但し、設立当時予見することのできなかった特別の事情が生じ、これらを変更しなければ法人の運営の継続が不可能または著しく困難となるに至った場合は、裁判所の許可を得て、評議員会の決議により変更可能(同条3項)

(解散)

第30条

 当法人は,基本財産の滅失による当法人の目的である事業の成功の不能その他法令で定められた事由により解散する。

 ・解散事由(法202条)

(残余財産の帰属)

第31条

 当法人が清算をする場合において有する残余財産は,評議員会の決議を経て,公益社団法人及び公益財団法人の認定に関する法律第5条第17号に掲げる法人又は国若しくは地方公共団体に贈与するものとする。

・残余財産の帰属(法239条)

第9章 公告の方法
(公告の方法)

第32条

 当法人の公告方法は,官報に掲載する方法とする。

・公告方法(法331条1項1号)
・必要的記載事項(法153条1項9号)
・その他の方法の場合
〔記載例〕
当法人の公告方法は,静岡市に於いて発行される静岡新聞に掲載する方法とする
(法331条1項2号)
当法人の公告方法は,電子公告の方法とする。
事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法は,官報に掲載する方法とする。
(法331条1項3号、同条2項)
当法人の公告方法は,主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法とする。
(法331条1項4号)
・4号の公告方法は、債権者保護手続の際の公告方法としては不可(法322条2号、法323条6号)

第10章 附   則


(最初の事業年度)

第33条

 当法人の最初の事業年度は,当法人成立の日から平成○年3月31日までとする。

・設立登記によって成立(法163条)
・財産の帰属時期(法164)

(設立時役員)

第34条

 当法人の設立時評議員,設立時理事及び設立時監事は次のとおりとする。
設立時評議員  ○○○○,○○○○,○○○○
設立時理事  ○○○○,○○○○,○○○○
設立時監事  ○○○○    

 設立時評議員等の選任(法159条)
・設立時評議員を定款で定めない場合、財産の拠出の履行の完了後遅滞なく、定款で定めた選任方法に従い選任しなければならない(法159条1項)
・遺言で設立の意思表示をする場合(法152条2項)には、定款で設立時評議員の選任方法を定めることになるものと考えられる(『一問一答公益法人関連三法』109頁)
・設立時代表理事は、設立時理事の過半数をもって選定する(法162条1項、3項)

(設立者の氏名及び住所並びに拠出する財産)

第35条

2 

 当法人の設立者の氏名及び住所は,次のとおりである。
静岡県浜松市東区半田山五丁目39番24号  ○ ○ ○ ○
当法人の設立に際し設立者が拠出をする財産及びその価額は,次のとおりである。
現金1億円

・必要的記載事項(法153条1項4号、5号)
・設立者が複数の場合、設立者ごとに拠出する財産及びその価額を明記する(同5号)

(法令の準拠)

第36条

 この定款に規定のない事項は,すべて一般社団法人及び一般財団法人に関する法律その他の法令に従う。

別表(第5条関係) ・・・ 省略

定款作成上の注意

・設立者(複数の場合は全員)が定款を作成し、署名又は記名押印しなければならない(法152条1項)
・遺言による設立の場合、遺言に法153条1項各号及び法154条に規定する事項を定め、一般財団法人を設立する意思を表示する。この場合の作成・署名義務者は、遺言執行者(法152条2項)
・電磁的記録により作成し、電子署名を行う方法も可(法152条3項,10条2項)
・公証人の認証を受ける必要あり(法155条)
・定款の備置義務等(法156条)


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